【歌詞に対する解釈】
夫婦関係や恋人関係、友人関係など二人の人間が関係し合うときに言動や意思が必ずしも100%伝わるかどうかは不明で、だからこそ慮ったり予測したり伝えようとして失敗する中で、自分というものが一定して常に同じ人間であるかというのは曖昧である。私は映像や平面のコラージュを制作して他人に見せるという一連の流れの中で自己と他者、主観と客観に乖離があることは前提だと肌身で感じてきた。また人間同士の関係性の中で一方がもう一方に対して社会的な優位性を発したり逆転したりすることがあるが、この曲でそういった自身や他者のズレや人間の本質的な自由を想起した。
【山田智和監督の公式MVに対する解釈】
床に卵を立てるまで映像は水平、垂直の動きが徹底されていて、卵の登場以降カメラは揺らぎながらそれに付随するように部屋も整合性を失ってくる表現が楽曲と完全にリンクしているように思えた。また、独特な真下からの視点という表現。真俯瞰であればそれはマクロだったり神的な視点の表現とも読めるがそうなれば真下からの視点というのは、アンバランスな人間関係の優位性、一方が他方に対して支配的な構造を生んでいる状態、という風にも見える。
日常の中に人間の発想の本質的な自由の幅が拡大することで時空が歪み始めるというのは超現実主義的でもあってそれらは失わないように表現したいと考えた。
またThe Blessed Madonnaによるremixのテクノ的なBPMと反復、ミニマル、godsquad mixというタイトルにオリジナル楽曲の脱構築を見出して上記二点を踏まえつつ、音楽的な構造と映像がリンクすることを意識した。
Video Remixer: Kazuki Gotanda
Creative Director: Tomokazu Yamada
Producer: Yuma Okubo
2025.10