五反田 和樹(ごたんだ かずき) 
映像作家
1981年 広島県北広島町(旧千代田町)生まれ
2002年 大阪学院大学外国語学部ドイツ語学科卒業
― 学生時代に海外の映画や音楽、哲学、芸術運動に影響を受け、映画作家を志す
2002〜2009年 広島で広告代理店や印刷会社などに勤務
2009年 フリーランスとして独立。「filmout」の変名で活動開始
2018年 東京へ拠点を移す
2019年 アーティストマネジメントプロダクション SIGNO に所属
― 同年6月より、クレジットを本名表記に変更しつつ、屋号「filmout」は継続使用

断片的で多層的な現実と不確かさを主題に、映像、コラージュ、アニメーションなどを用いた作品を制作している。
即断せず考え続けることや、一つの解釈に回収されない複雑さを重視し、異質な要素の接続や継ぎ目を残す編集を通じて、観客の多様な視点を受け入れる余白をつくり出すことを目指している。 そうした構成によって、現実を単に再現するのではなく、現実の中にある超現実的な感覚――説明しきれない違和感や重なり――がそのまま立ち現れるような映像を志向している。
現在はクライアントワークスの他、短編による実験的な映像制作に取り組みつつ、長編映画の制作を目指している。


【Artist Statement】
私は映像やコラージュ、アニメーションなどの技法を用いて、断片的で不確かな現実に向き合う作品を制作しています。その出発点には、世界があまりにも単純化され、複雑な問題があたかも一つの答えで解決できるかのように扱われてしまうことへの違和感があります。情報が目まぐるしく消費されるなかで、本来立ち上がるはずの問いよりも、断定的な結論だけが先に拡散してしまう。そうした状況の中で、私たちが見ている現実もまた見えやすい断片だけで構成されているのではないかと感じています。
私は作品を通じて「即断せずに考え続けること」や「一つの解釈に回収されない複雑さ」を保ちたいと考えています。コラージュという技法は、私にとって単なる視覚的手段であると同時に、そうした態度を体現する表現形式でもあります。計画通りに進まないことを前提とし、偶然性や断片に導かれながら自身の意図さえ相対化されていく。作品は明確な意味に回収されることなく、現実の複雑さや曖昧さをそのまま映し出すものになります。
この制作態度は世界を一つの枠に閉じ込めることへの抵抗であり、権威的構築への批判とも結びついています。
私はコラージュという手法そのものに限定されず、実写やアニメーション、編集の構成においても同様の思想を持っています。たとえ視覚的にコラージュが現れない場面であっても、異質なもの同士の断続的な接続や、流れの中に残る継ぎ目、統一されないまま共存する複数性が私の表現の核にあります。
また私は、映像作品が商業的な文脈や制度に絡め取られることへの懸念を抱きつつも、それらと並走せざるを得ない作家の立場にいます。その矛盾や宙吊り状態を避けるのではなく、むしろ引き受けることによってしか生まれない表現があると考えています。
複数の時間、空間、視点が共存する構造を通じて、鑑賞者がそれぞれの立場から関与し、読み取るための余白を残すこと。それが私の作品において重要なテーマのひとつです。
※2025年7月改定

【影響】
シュルレアリスム / ドイツ表現主義
Franz Kafka / 澁澤龍彦 / 巖谷國士 / 樋口泰人
Luis Buñuel / Peter Greenaway / Wim Wenders / Werner Herzog / Jean-Luc Godard / Alain Resnais / Michael Haneke / David Lynch / Pier Paolo Pasolini / Sam Peckinpah / David Fincher / Robert Altman / Robby Müller
水木しげる
Primal Scream / Radiohead / The Velvet Underground

【業務内容】
ディレクション(企画・構成・演出・絵コンテ)
ポストプロダクション(実写編集・モーショングラフィックス・アニメーション)
コラージュ制作(アナログ・デジタル)

【制作環境】
OS : Windows / Mac
Adobe After Effects
Adobe Photoshop
Adobe PremierePro
Adobe Illustrator
DaVinci Resolve
アナログコラージュ
iPad Pro

【CV】
/2012
個展「ひとでなしの夜明け」@ヲルガン座廃墟ギャラリー(広島)
/2013
ポストカードアート展「scopophilia」@4bid gallery(レスター・イギリス)
/2014
個展「Scene Screen Script」@NSA(広島)
/2015
個展「総天然色」@本と自由(広島)
/2016
個展「WARP」@HOPKEN(本町・大阪)
グループ展「Virgin Babylon Art Works Exhibition」@Quiet Noise(池ノ上)
/2017
個展「SHIFUZOU 畑にあるテレビに二階建ての動物が繋がれている」@本と自由(広島)
/2018
グループ展「Summer Group Show 2018」@THE blank GALLERY(原宿)
個展「不時着するキマイラ」@FAITH(高円寺)
/2019
グループ展「接続 UNITES」@Basement GINZA(銀座)
/2022
個展「VACANT FRAME」@Gallery Conceal Shibuya(渋谷)
/2025
個展「ZERO POINT」@Gallery G(広島)
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